たまご工務店TV第1回「人は1日でギターがどれだけ上手くなるのか」振り返り

僕は今まで弦楽器を弾いたことがなかった。
それがこの日をもって12時間弾いた経験ができた。

触ってこなかった理由は、単純に難しかったから。
左手も大変、音の種類はたくさんあるでどうしてもやる気になれなかった。

それが今回の企画で、半ば強制的に弾くことになった。

ギターを受け取り、鴨川へ移動した。
鴨川でギターを弾いている人たちはいつも大体上手だから、一人でギターを弾くことはとてつもなく緊張した。
できるだけ人に見つからない、走ってる人の邪魔にならないなど色んなことを考えてしまい30分くらいウロウロしてた。

位置を決めて曲を聴き始める。
ゆずの「いつか」は本当に聞いたこともなかった。
とんでもない名曲なことを練習してるうちに知った。
何より、とんでもなく歌がうまい。当たり前だけど。

実際にギターを弾こうとしたが、やはり難しい。
タブ譜の読み方もわからず、そもそもどんなリズムなのかも全くわからなかった。
でもやるしかない。と覚悟を決めて一つ一つ手探りで練習した。

その日はちょうど暑くなりだした時期でとてもいい天気だった。
幾人のランナーが僕の横を通り過ぎて行ったか。
そして何組のカップルが僕と等間隔を空けて座っただろうか。

その時間でアコギを持っていた右手はめちゃくちゃに日焼けした。
今でも皮が剥ける。

正直本当に時間が過ぎるのが怖かった。
全然上達しない、いつになればできるのかわからない不安。
この状態で人前に披露するのかという絶望。
それを感じながら過ぎていく時間を一人で過ごすのはとても苦痛だった。

最後の方は、もはや諦めにも近い開き直り状態だった。
もうやるしかないっていう。

そうしてDEWEYへのお迎えがきた。
牧野さんに挨拶をして、アコギの音出し、マイクチェック。
手と声はとんでもなく震えていた。
いつも立っている(座っているが正しいけど)ステージが一人だとこんなにも心細く、不安になることを初めて知った。

ゆずの「いつか」は5分17秒の曲だが、実際あの場で演奏してるのはなんと12分。しかし体感は一瞬だった。
無我夢中で演奏していた。
一人でステージに立つ人は本当にすごい。

今回の企画を通して、気づけたことがたくさんあった。
その一つに、弦楽器の人たちは本当にすごいな、ということ。
コードも音階も響きも、あの僕がほんの少し触ったフレットには宇宙がある。
どんな世界もあの中で作れてしまう作曲者のことを本当に尊敬する。

そして音楽というものは本当に素晴らしいということ。
僕の演奏レベルの人間が同じバンドにいたらもっと練習しろよと思うけれど、あのときの演奏をフルで見たらなんかグッときてしまうものが僕ですらある。
当然ながらゆずの「いつか」が本当に素晴らしい曲だからが最大の要因であるが。

それほど音楽というものは純粋に人の感情を発信し、届かせることができるものなのだと感じた。

自分が作った曲を歌うということはそれも本当に格別なものなのだろうと。
ULTRA CUBもGueも僕が所属しているバンドは本当に素晴らしい歌を作る人たちだ。
僕はそんな歌を作る人たちの後ろでドラムが叩けている事を本当に幸せに、そして誇りに思う。
その人たちの音楽の世界をよりたくさんの人たちに届けていくことができたらそれはなんとも言い表せない幸せだろう。

余談になるが、ULTRA CUBのLIVE RECでの購入特典としてオーディオコメンタリーがある。その時点では今回の映像は公開前だったのでカットしたが、メンバーに弾き語りをしたことを話すと、今度のCDに購入特典としてULTRA CUBの「あの娘がセックスしてるなんて俺は絶対に信じない」を弾き語りを入れようと笑いながら提案された。もちろん冗談だと思うが、全力で遠慮したい。

■この記事を書いている人

稲毛 僚也(ノギヘン)

ULTRA CUB、Gueのドラムとして活動しているミュージシャン。たまにドラムサポートもしてます。最近はYouTubeチャンネル『ダレカノサソビバ』でノギヘンという名前を襲名。動画編集や撮影などなんでもやります!

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